今日から新緑の5月ですね。当地では毎年5月1日は地元のお宮さんでお祭りが執り行われます。昔はお祭りというと、各家は巻き寿司などのご馳走を作ったり、嫁いだお嫁さんや奉公に行っていた人たちが藪入りと言って一日だけ田舎に帰って来たりして賑わったものですが、今は神輿が出るだけになりました。
我が組は今年宮守当番に当たっているので、前日から祭りの準備に狩り出されています。また昨夜は宵宮がありました。そのあと一晩、神輿が拝殿に出たままになっているので、交代で見張りの泊まりをしました。
私の順番は、今朝からです。朝、6時前、少し眠い目をこすりながら宮さんまで歩いて行きました。このところの晴天続き、今日は7月並の気温が予想されていましたが、それは昼間のこと、朝はひんやりしています。シャツにベストを羽織って出かけました。
早朝の山道は静かです。上空を帰りそびれたらしい鴨が三羽並んで飛んでいたと思ったら、小学校のプールの横を通るときバシャッと水音がしました。今頃なんだろうと見ると、先ほど飛んでいたらしい鴨が二羽、プールに飛び降りて泳いでいました。
参道の坂道は新緑の木々に覆われて、野鳥の声が賑わっています。さすが晴れた日の早朝です。広がった葉の影に隠れて姿は見えませんが、たぶん鳴き声の主はシジュウカラやヤマガラたちでしょう。
本殿の囲いの一部が修復されて新しくなっています。
早朝の人気のない社はしんとして、いつもの石橋も静まりかえっています。
昨夜泊まっていた人がドラム缶に薪をくべて私たちが来るのを待っていてくれました。彼いわく、次の宮守の時は警備会社に頼もう、でした。
昨夜の泊まり当番は若い人たちでした。皆それぞれ仕事を持っています。彼らの間でそんな話が出たのでしょうね。
さて、我々が交代しても、これと言ってすることはありません。神輿の渡御が始まるのは11時過ぎです。まだ総代さんも見えないので、何をしたら良いのかも分かりません。境内をうろついてみたり、社務所の中に入ってお喋りをして時間をつぶしました。
少しずつ朝日が当たるエリアが広がっていきます。
本日の主役の神輿です。私が子供の頃は樽神輿でした。それではあんまりだというので約40年ほど前にこの神輿が新調されました。一応子供神輿なのですが、重くて子供だけでは担げません。
初めの趣旨は子供神輿と言うことで、子供会が主催、子供の親たちで運営すると言うことだったのですが、5月1日は平日なことが多くなかなか担ぎ手が集まりません。
いつの間にか役員さんで担ぐようになっていましたが、それもだんだん困難になってきて、数年前から台車に乗せて回るようになりました。
ようやく拝殿にも日が当たるようになってきました。環境音楽のように野鳥の鳴き声がずっとしています。しかし社を囲む木々は背が高く鳥の影さえ見えません。
9時過ぎ、総代さんが来られて神輿が出る際の儀式の準備が始まります。私たちにあれこれと指示を受け、言われるがまま動きます。もっとも掃除や拝殿の幕張などおおかたのことは昨日しているので、今日は昨日準備したものを並べたりするだけでした。
10時すぎ、少しずつ区の役員さんたちが集まってきます。授業を早く終えた子供たちも祭りの法被を着て集まり出しています。親の姿も見えますがほとんどがお母さんたちです。
台車の上に載せられ、出発の時を待つ二基の神輿。
お揃いの法被を着て、出発を待つ子供たち。
11時が過ぎて、詔や役員さんたちの挨拶が終わり、いよいよ神輿の出発です。いつもは涼しい境内も、木漏れ日と言うには強い日差し、ずいぶん暑くなっていました。
石橋を渡っていく神輿。
途中、幼稚園の前を通ります。可愛い園児たちがお出迎えです。
子供たちが神輿のロープを引き、役員さんたちが神輿が乗った台車を押して集落をくまなく回ります。途中何回か休憩と簡単な昼食の時間があります。すべてが終わるのは3時をすぎるでしょうか。
私たちは宮守なので神輿についていく必要はありません。神輿を送り出すと、また人気が無くなってがらんとした境内に鳥たちの声が戻ってきます。私たちは社務所に入って再び神輿が帰って来るまでお茶を飲んだりお喋りをしたりして時を過ごすのです。
この記事へのコメント
himanaoyaji
p(^-^)q
夏炉冬扇
たいへー
先日、顔合わせ会に行ってきましたよ。
takenoko
cafelamama
わが町の祭りも、各町内の子供たちが担ぎ手になっていましたが
小学生は一学年5~6人しかいないので
各町内でも担ぎ手がいなくなってしまいました。
こういう問題は、どこの町でもおこっているのでそうね。
ねじまき鳥
song4u
何度拝見しても、立派な神社ですね。
昔ながらの鎮守の森が、荘厳な印象を高めていると思います。
子供たちが羽織っている法被、お揃いで可愛いですね。
加えて言えば、今はどのお祭りも女の子の参加が多い。
女の子のほうが結構祭り好きなんじゃないかと思ったりします。
今日と明日は「博多どんたく港まつり」です。
どんたくと言えば、雨が付き物。今年も見事に雨のどんたくです。
そらへい
こんにちは
お祭り、本来はそういう意味なのでしょうが
近年は薄れつつあるような気がしています。
我我の所だけなのかも知れませんが・・・
そらへい
こんにちは
この時期にしては暑い日でしたので、子供たち歩くだけでも大変だったかも。
今年はとくに低学年の子が多かったような気がします。
そらへい
こんにちは
もう青年会に参加ですか。
私たちのところもかつては青年団という若い人の組織があり
神輿も担いでましたが、もうずいぶん昔になくなって
担ぎ手、いろいろ変遷したあげくの台車です(笑)
そらへい
こんにちは
元々五穀豊穣を願っての祭礼ですが、
時代と共にいろいろ変質していている今
わずか200戸ほどの集落で、祭りを運営するのは・・・
そらへい
こんにちは
わずか200戸前後の集落のひとつひとつに氏神様があります。
もちろんそれくらいでは普段神主はいませんので、
大きな集落の神主さんが兼任されてます。
その神主さんもサラリーマンの勤めがあり、
今まで厳格に守られていた祭礼の日が土日に変更になりつつあります。
少子高齢化によるお寺、神社、地域での運営問題
これからますます具現化してくると思います。
そらへい
こんにちは
このところお天気が良くて、本当に新緑が気持ちいいですね。
祭りを撮るのも忘れて、ついカメラを新緑に向けてしまいます。
そらへい
こんにちは
博多どんたくのような大きな祭りとは比べようもありません。
大きな祭りは大きな祭りで、別の意味で大変な事があるのでしょうね。
私たちの神社は調べてみると、270年ほど前に建ったものらしいです。
境内には、鎌倉時代と言われる灯籠があったりします。
地元の誇り、何かの折には地元民の心のよりどころなっているとは思います。
そう言えば、女の子の姿目立った気がします。
構成的に女子の方が多いのかも知れませんが。
b.b.mk2
いつもながら季節感を肌で感じられるお話しですね。
お宮さんの世話係って役にあたると気忙しいのですが、
故のいい時間を持てますね。
静まり返った早朝の境内、神輿を送り出したあとのがらんとした境内、
社務所でのおしゃべり・・・
お祭りやイベントっていうのは、どっぷりと中心で楽しむより
祭囃子が聞こえるところで自分なりに楽しむっていうのがいいですよね。
そらへい
こんばんは
お久しぶりです。
そうですね。この時期、こんな機会でもなければ、早朝宮さんに行くことも
朝のすがすがしい空気の中で、野鳥の声を聞くこともありませんね。
会社で期限が迫った中で何かをしなければいけないのと違って、
田舎の行事は時間がゆったり流れていきます。
その中で自分の目や耳に届くものを
自分なりに楽しめればいいですね。
タックン
四季折々に祭りがあるのですか?
伝統行事を引き継いでいくのは大変ですね。
お役目お疲れさまでした。
そらへい
こんばんは
このあたりの集落には
ひとつずつ集落のお守りのように古い神社が祀られています。
我が社は伊勢神宮の系統ですね。
元々農業主体の集落なので祭りは五穀豊穣を願っての春祭りですね。
月に一度程度、祭事があります。
yoko-minato
とっても思い出がたくさんある地元のお祭りなのでしょうね。
でも準備や進行をしていく役員さんたちも大変なのですね。
若い人に引き継ぐのがいいのでしょうけど…お祭りは楽しい
行事です、残っていくといいですが・・・
叔母のプレーヤーのことはすっかり忘れていると思います。
叔母が持って帰ってと言わない限り持って帰ることは出来ません。
たぶん、もう戻らないとあきらめています、甥っ子がうるさいんですよ!
katakiyo
是非、皆さん踏ん張ってください。
そらへい
こんばんは
お祭りの性質が昔とは変わってきています。
反面今はあちらこちらで昔のお祭りを思わせるイベントがあります。
農業のやり方もすっかり変わってしまって
五穀豊穣を願うお祭りの形式だけが残っているような・・・
祭りの本来をもう一度取り戻す必要があるような気がします。
プレーヤー仕方ありませんね。
使われなくても、叔母さんの記憶の中で
回転してくれているといいのですが。
そらへい
こんばんは
だいたい12年に一回回ってきます。
次の順番が回ってくる頃、彼らの大半は60歳を過ぎています。
私たちも12年前、次の順番が回ってくる頃は変わっているだろうと思ってましたが、変わったのは神輿が台車に乗るようになったところだけです。
最近は、自然の流れに任せるより仕方が無いかなぁと思っています。
yoriko
賑やかなお祭りしか知らないのでブログを拝見しながら
「いいなぁ・・」と真剣に見入ってしまいました
地元の皆さんで神社を守っているのが良く解ります
子供の頃お菓子欲しさに
山車を引っ張ったのを懐かしく思い出しました
しばちゃん2cv
しばちゃん2cv
ご苦労様でした。
そらへい
こんばんは
都会や全国の有名なお祭りに比べると、
のどかというか、静かなお祭りです。
集落ごとによく似た感じの神社があって、
それぞれ神輿が出ています。
子供神輿、低学年の子たちは訳も分からず
ひょっとしたらおやつにつられて、山車を引っ張っています。
要領を得た中学生になると、始めと終わりだけ参加してます(笑)
そらへい
こんばんは
写真を拝見しているとそちらのお祭りの方が本格的に見えます。
こちらの神社では巫女さんどころか神主もいません。
総代さんが祝詞を代読です。
駅員3
お役目お疲れさまでした。
伝統を守り伝えるのは、大変ですね!
そらへい
こんばんは
コメント返信が遅くなりました。
このあたりの神社としては小さい方で
しかも規模も大きくないので中途半端感免れません。
従って、伝統も?です。