6月に入ったと思ったら、そうそうと梅雨入りしてしまいましたね。我が家のアジサイはまだ小さな蕾、庭のドクダミとハクチョウゲが白い花をナンテンが白い蕾をつけています。
今日は土曜日になってしまいましたが、先々月からそのままになっているオーディオ話、オープンリールデッキの続き話でもしようかと思います。
思い切って落札したTASCAM33-2は2トラ38機でした。しかも買って間もなく故障してしまったのですが、運良くお金が戻ってきたところまでお話しました。
これに懲りてオープンリールデッキの導入を諦めたのでは、幻のテープを聞くことができません。すでに気持ちが前のめりになっている私は、新たな出費の必要がなくなったのを幸い、戻ってきたお金で4トラックテープを再生できるデッキを漁ることになりました。
本来なら、返品返金したお店で次の4トラックデッキを買い直すのが筋ですが、そのお店はオーディオ専門店ではありましたが、他にオープンリールデッキは出品していませんでしたので他を当たることにしました。
少しはオープンリールの知識もできたので、今度は慎重に機種を選びました。デッキを専門に修理販売している方がおられたので実績を信じて買うことにしました。お値段もリーズナブルでした。
こちらが、新しく購入したオープンリールデッキ、TEACのX10Rです。10号リールを使うと19cm/sで3時間、9・5cm速度で6時間録再ができます。
さて、これでいよいよ長い間眠っていた幻のテープ、ポリーニの来日公演の演奏を聞くことができます。1976年ですから37年ぶり(去年の話)にテープの音が日の目を見るのです。
準備万端整えて、デッキのスイッチを入れます。7号テープは小さくて10号ほど迫力はありませんが、カセットとは違うメカの音を立てて、テープがおもむろに回り始めました。
まず割れんばかりの拍手が両側のスピーカーから聞こえてきます。拍手が鳴り止んで少しの静寂のあと、ふっと空気を震わせる研ぎ澄まされピアノの音が聞こえてきました。高音は時にきらびやかですが軽さはありません。ポリーニ独特の理知的で感情に流されない音の連なりです。
透明で硬質な中高音に比して、不釣り合いなほどポリーニの低音は迫力があるのですが、テープで聞いていてもそれは伝わってきました。
依頼したhoriuchiくんの録音もクリアで素晴らしいピアノの音を拾っていました。音が割れるのを恐れたのか録音レベルはやや低目でしたが雑音のないきれいな音でした。心配した黴もほとんど無くて、テープの往復各一箇所でスクラッチ・ノイズより大きめの雑音が入っただけでした。
私の記憶では、演奏が始まる前、拍手とともにどんどんと足音が響いてポリーニが登場するのですがこの足音は録音されていませんでした。録音されていればもっと臨場感を感じたのですが。
音や音楽を記憶できるほど私は音楽の素養がありませんが、演奏会場で感じた音の透明感のようなものは、37年ぶりに聞いたテープでも感じ取ることができた気がしました。
今回、古いチケットを取り出して気づいたのですが、私は別の日のコンサートの録音だと記憶していたのですが、日付を見て同じ日であることがわかりました。まさしく私が会場に聞きに行ったその日のライブ録音だったのです。そういう意味でも私にとっては貴重なテープです。
ポリーニの来日はこの時で2回目だったと思います。前回の初来日の時は凄い人気でチケットが取れなかったのでした。この時も東京3回の演奏会が4日で売り切れたそうです。私の場所は一階の後ろの方ですが、5000円しました。当時としては高額なチケット代だったと思います。
ポリーニはその後も大活躍でしたが最近はあまりその名前を聞かない気がしますがどうしているのでしょう。年齢は70歳代、今頃はとっくに大御所とかビルティオーゾともっともてはやされてもいい気がするのですが、そういう扱いはストイックな彼としては望まないのかもしれませんね。
37年ぶりのテープが聞けて私は大満足だったのですが、いつもそのテープばかり聞いているわけにもいきません。自分の好きなレコードを10号テープに録音してオートリバースで聞くと3時間は音楽をかけっぱなしすることができます。
はじめはそんな遊びをしていましたが、かけっ放しをするのならいまどきPCオーディオやハードディスクオーディオでいくらでも長時間楽しめます。
それよりもっと他のテープが聞きたくなって、再びオークションの荒波の中に首を突っ込んだのですが、これがまた次の泥沼への入口になるのです。その話はまたその3に譲ることにします。
梅雨入り前に収穫したタマネギ、吊るすのも以前は私の仕事でしたが、去年辺りから妻がしてくれるようになりました。と言うか、私がするとよく落ちてしまうので見かねてだと思います。
ニンニクは梅雨の合間の今日、引きました。肥料不足だったのか去年よりこぶりな気がします。
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: 日本フォノグラム
- メディア: LP Record
さて、今日のMはMonica Zetterlund(モニカ・ゼタールンド)の「ワルツ・フォー・デビー」です。この人はスウェーデンの歌手です。このアルバムでもビル・エヴァンスがピアノを弾いています。エバンスのピアノ・トリオのワルツフォーデビーもいいですが彼女の少しアンニュイな雰囲気のワルツ・フォ-・デビーもいいですよ。
この記事へのコメント
b.b.mk2
kurakichi
モニカ・ゼッターランド初めて知りました。
スウェーデン語のジャズ ちょっと不思議な響きでした。
katakiyo
素晴らしい音が飛び出したのですね、オークションの泥沼に
ご注意ですよ^^)
たいへー
オープンリールか・・・興味はあるんですが、未だ手が出ず。。。
takenoko
そらへい
こんにちは
思い出の価値、インパクトとしては、 b.b.mk2さん
自演のフォークソング発表テープのほうがありそうですね。
私は、音楽の方はまるっきりたしなめないので
自作を聞く事はありえません。
若いころで残っているのは古いノートといくつかのスケッチブックです。
ノートは読み返すに耐えないのですが、
スケッチはましと思っているのはやはり記憶の改ざんでしょうか。
一度見なおしてみなければ・・・
そらへい
こんにちは
何事も際限が無いですね。
その角まで行くと何かありそうに思えて行くと
またその先にもの思わしげな角がある
と言った連続です。
モニカさん、ジャケット写真も魅力的です。
そらへい
こんにちは
オープンリールテープ、カセットやレコード
またデジタルにもない独特のニュアンスがあります。
しかし、録再の手続きはいかにもアナログ的で
手間は一番かかります。
そらへい
こんにちは
底が見えないので、
いい加減なところで手を打たないと
オープンリールデッキ、出回っているのはいずれも古い機器
メカ部分も多くて動作の維持も大変です。
そらへい
こんにちは
10インチテープ、しかも2トラ38で真空管につなぐと
最高の音になりそうです。
以前の機器、壊れるまでつないでいたのですが
今回は7インチテープ、
スペースの関係でトランジスタにつないでいます。
cafelamama
しかも、37年の時を経ても、その人の理知的で透明な印象は変わっていなかった
という感じでしょうか。
「ニューシネマパラダイス」という映画で
映画監督になった主人公が、かつてカットされたキスシーンだけのフィルムを
見ているシーンを思い出しました。
玉ネギがぶら下がっている景色は、いいですね。
私も納屋の中でその景色を眺めたりすることがあります。
ken
先週の記事の風立ちぬ、原作を昨年読んだのですが、風景描写
の作品みたいな感じですね。
松田聖子はいいですね、自分は生年月日が一日違いですが
同じ年をすごしてきてるという感じがいいです。
夏炉冬扇
パソコン不調でした。
なんとか回復したよう…
Mineosaurus
ski
オープンリールは凄いですね、いい音しそうです。
テープはエアチェックしたカセットテープがかなりありますが、昔はもう何回も聴いていました。MDもかなり大量にあります。MDの方が絶滅してる感じがします。
KEI
そらへい
こんばんは
せっかく人に頼んで録音してもらったテープ
一度も聞かないままで終わるのは嫌だったので
今回ようやく聞けて良かったです。
ただ、おっしゃるように「ニューシネマ・パラダイス」の主人公
サルヴァトーレほど格好良くないのが残念です。
ちょっとした恋の挿話でもあればよかったのですが・・・
ただ25歳頃の東京での生活は彷彿としてきます。
昨日、妻が紫タマネギを引いて、これで今年のタマネギ、
ニンニクの収穫は終わりました。
これからいよいよ夏野菜、楽しみです。
そらへい
こんばんは
小説「風立ちぬ」はジブリの「風立ちぬ」の原作というより
オマージュのようなものだと思います。
確かに風景描写が目立って、現代人には受け入れにくい構成になってますね。
松田聖子と生年月日が一日違い
やはりどんな高尚な文学作品よりも時代を共にした歌のほうが
親近感湧きますね。
そらへい
こんばんは
パソコン不調お困りでしたね。
泥沼に陥らないういちに
復調してよかったですね。
そらへい
こんばんは
私は1970年頃、FMでショパンの練習曲集を聞いて
圧倒されました。
一度でも生で聞けてよかったと思ってます。
今またその時の実況放送が聞けて幸せです。
そらへい
こんばんは
オープンリールデッキも、いつまで動くか不安です。
今動いている間に貴重なテープだけでも
デジタル化して保存しておこうかと思ってます。
MDはアナログとデジタルの間、
普及した期間も短くて、今ではほとんど見られなくなりましたね。
中古店ではデッキは時々見かけますが。
そらへい
こんばんは
私も憧れだけで終わりそうでした。
この一本の未開封テープがなければ・・・
駅員3
わが家にも死蔵されているテープが・・・・
そこには私が小学生時代に子供音楽コンクールで歌った歌が入っている・・・(^^;
yoko-minato
聴くことができたのですか!
それは忘れられないレコードになりますよね。
私もレコードプレーヤーが戻ってきたら聴きたいです。
そらへい
こんばんは
ご自身の子供の頃のコンクールの記録が残されたテープとは
より一層貴重に思えます。
今は無いVHSや8ミリビデオをデジタル化してくれるサービスが有るとか
きっとテープをデジタル化してくれるサービスが有るのではないかと思います。
子供の頃の自分に会える・・・
私などは当然ビデオもなくて、せいぜい数えるほどの写真くらいです。
そらへい
こんばんは
うっとおしい梅雨に入りましたがお体の調子いかがですか。
この音源はレコードではなくてテープなんです。
私が聞きに行った日にNHKFMで実況放送されたものです。
したがって市販されていないので、そういう意味では貴重です。
同じ番組を録音されてテープを保存されている方がどれくらいおられるかなと思います。
プリウス
TEACの”X-10R"と言えば、成熟した技術に裏打ちされ、
洗卵されたデザインと合わせて、大人気となったモデルですね!!
想い出のテープが今になっても聴けるのは、オーディオ文化が
息づいている証拠ですよ!!
めい
我が家もタマネギの収穫をしましたが吊るすところに困っています(≧∇≦)
新玉ねぎは甘くて美味しいですね、いっぱい食べて血をサラサラにしましょうね☆☆
そらへい
こんばんは
37年も前のテープ、しかもその頃に活躍したデッキが
プリウスさんのように器用な方の手を経て現代に蘇る。
同時にテープが再生されて、音楽もよみがえらせることが出来ました。
まさしくオーディオ文化が今も息づいている証拠ですね。
そらへい
こんばんは
タマネギ、吊るす場所に困るほどたくさん採れたのですね。
我が家もいろいろと注文が入りますが
タマネギはいくらあっても良さそうです。
採れたての野菜は、柔らかくて美味しいですね。
紫玉ねぎなど、そのままスライスしてかつお節かけて食べると
いかにも血液サラサラになりそうな気がします。
himanaoyaji
記憶にないんですよね、 (>_<)
そらへい
こんばんは
梅雨らしく蒸し暑くなってきましたね。
オープンリールデッキ、デンスケ等
出てきたら楽しいですね。
動くかどうか心配ですが・・・
taka-ono
懐かしい名前です。
高校時代に彼のショパンのエチュードを買って聞きました。
まだジャズを知らない頃です。
それまではサンソン・フランソワのショパンを聞いていたので、同じ曲に聞こえませんでした。 (^_^;A
そのテープは貴重ですね。
僕もオープンリールデッキを田舎から持ってきましたが、結局上京後に電源を入れた記憶がありません。(泣)
そらへい
こんばんは
ポリーニ、私もFMで練習曲を聞いてレコード買いました。
中でも耳慣れた「別れの曲」が全く違って聞こえたのには驚きました。
ピアノをなさっている方には一層彼の凄さがわかるのでしょうね。
オープンリールデッキ、
今となっては結構大変ですね。
大きく重いですし、動作音なども大きくて・・・