今でこそ、FMチューナーと言っても、ラジオかミニコンポのレシーバーに付いているだけで、音楽を聞くソースとしても地味なものですが、オーディオブームがたけなわだった1970年代、チューナ-はれっきとした単独のオーディオ機器の一つでした。
当時はFM番組もにぎやかでしたし、エアチェック用のFM誌が幾つも書店の棚に並べられていました。チューナーも各社からいろいろなデザイン、価格でアンプと同じくらい発売されていたのではないでしょうか。
私が初めて本格的チューナーを手にしたは今から30年あまり前になるでしょうか。当時、定番のトリオ製でした。大きなメーターウインドウが、夢のように青く光るデザインだったと思うのですが、型番を思い出せません。
それで期待せずに古いカタログなどが詰まったファイルケースをひっくり返してみました。残っているものですね。出てきました。カタログはありませんでしたが、保証書と計算書が。
懐かしいですね。TRIOは現ケンウッドです。テレオンは今もあるんでしょうか。
TRIO KT-5007、このチューナーには少しいわくがあって、確かこれは借金の形だったか、何かの礼だったかで、友人Sが秋葉原で買ってきてくれた物でした。たぶんいくらか+アルファしてだったと思います。
当時、私のステレオシステムはマイクロのMR-411にLUXのL-504、スキャンダイナのA25という構成はできあがっていて、あとはチューナーだけでした。
デザイン的に合うLUXのチューナーも欲しかったのですが、値段がかなり高かったように思います。チューナーと言えばトリオと言われていましたし、青く光るフロントマスクは魅力的でした。Sは私の希望を知っていたので買ってきてくれたのだと思います。
ところが、あろう事か私は、このチューナーを数年後手放してしまいます。お金に窮して質入れして流してしまったのです。なぜチューナーだったかというと、アンプやスピーカーを質入れすると音楽が聴けなくなる、チューナーならFMだけ我慢すればよいと言う消去法からでした。
もちろん初めは流すつもりはなく、給料が入れば請け出していました。でも何回か出したり入れたりを繰り返すうち、質屋の主人はすっかりこちらを信用して、頼みもしないのに金額を上げてくれるのです。
借りるときは有り難いけれど、利子も高くなって請け出すときは当然負担になります。徐々に苦しくなってきて、利子だけをかろうじて払うようになり、最後はとうとう流してしまいました。数年使っていたにもかかわらず、買ったときの値段の半分以上の25,000円だったと思います。
しかし、あとからこのことを何度も後悔しました。大事なチューナーでした。その後、ずっとチューナー無しだったのか、ほかのものを買ったのかなぜか記憶がありません。
この記事へのコメント
mwainfo
空兵ーS
こんばんは
FM東京の時報はいつも「ト~リオ」でした。ケンウッドになってからはカーオーディオのイメージの方が強くなった気がします。
AKAIのカセットデッキ持っていました。サンスイは友人が持っていましたが私は縁がありませんでしたね。ほかに、レコードプレーヤーを作っていたマイクロ、カートリッジのフィデリティ・リサーチなど惜しい会社が幾つもありました。
FUCKINTOSH66
いまや "エアチェック" って言葉自体、懐かしいですよね
一番よく買ってたのは「FMステーション」でした
空兵ーS
ケンウッド、パナソニックと同じように海外向けのブランド名がそのまま社名になったようです。
FMステーションありましたね。ほかのと少し違って大判でマガジンタイプ、若い人に人気があったように思います。エアチェックと言う言葉自体が廃れたように、FM誌もすべて無くなって久しい感じです。
イチロ
今やオーディオ業界はぱっとしないですけれど、
オーレックスとかも懐かしいです。
空兵ーS
こんばんは
OTTO、LO-Dなぞ懐かしい名前を数え上げればきりがないですね。
オーディオも団塊の世代が定年を迎えて、このところ少し上向きだそうです。